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小川シェフのブログ

プライベートのこと

時代を先取る天才シェフ、師から学んだ変わらぬ情熱と新たな挑戦の力学

エルブランシュの改装で時間ができたので、我が師匠である勝又シェフに会いに箱根に行ってきた。僕が初めて修行したのがここ、「オーベルジュ・オーミラドー」だ。あの頃は、厳しい修行に死にかけながらもただガムシャラに食らいついていただけだった。

ディナーの後、ムッシュ(勝又シェフ)とワインを飲みながら何時間も話をした。ムッシュの異次元の思考というか感性を思いっきり全身で浴びたが、同時に僕なんかが到底追いつける存在ではないことを改めて思い知った。それでも、僕はムッシュを追いかける。そうすることで自分を奮い立たせることが出来るから。

ムッシュは、異次元の「感性」そのものといった存在だった。

ただ天才でいるのではなく、常に新しい時代を作るために、信念を持って困難なことを実行し実現していく。その実現のために計り知れない努力をしている。80歳を目前に今もなお。

日本で最初の「ビストロ」を西麻布にオープンし、日本で最初の「オーベルジュ」を箱根に作った。そして、40年近く前から「箱根フレンチ」として、今でいう地産地消を掲げ、地元の食材を使い、皮から根っこまで捨てることなく全てを料理にするSDGs的な考えで料理を作っていた。そしてあの伝説のレストラン「ポワソンルージュ」も立ち上げた。フランス料理業界の全てにおいてパイオニア的な存在だ。いくつになっても時代を先取りしていく姿勢は今なお健在である。

今時、努力なんてナンセンスだと人はいうが、とてつもなく壮大な努力と強靭な行動力によって新たな時代は作られていくのだと確信した。そして、好奇心の塊であるムッシュは、未だに衰えることのないエネルギーに満ち溢れている。

「やるしかない」

オーミラドーの厨房には今でもその言葉が掲げてあった。
今回もまた、ムッシュから多くのことを学びました。
そして、勝又イズムを、しかと胸に刻みました。

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