第二章-1 箱根の最初の朝 4月の箱根は、春とは思えないほど冷たかった。空気は澄み切っているのに、指先がじんじんと痛むような寒さ。吐く息が白く、山の上のほうにはまだうっすらと雪が残っていた。あのとき面接で訪れたオーミラドーが、再び僕の目の前にある。...